リアル刀剣男子(オヤジ?)が語る日本刀とその逸話:第二部「名刀・業物の切れ味」

本物の侍!山家さんが送る刀剣秘話第二部、開幕!べんべん🎶

山家衛艮

前回に引き続き、刀剣オヤジが日本刀を語ります。前回は日本刀の概要をお伝えしましたが、今回は刀の武器としての有用性。そう、“切れ味”です。

◆刀剣の“切れ味”

kotobank.jp

 日本刀の切れ味については、よく驚きをもって語られますね。

切れ味には江戸時代に定めたランキングがあり、最上大業物(さいじょうおおわざもの)、大業物(おおわざもの)、良業物(よきわざもの)、業物(わざもの)と、そこに入らないその他大勢の五段階に分けられます。

最上大業物の代表が、新撰組局長:近藤勇の愛刀として知られる“虎徹(こてつ)”

しかし、こうした“業物”に入らない刀でも、研磨した日本刀であれば驚くべき切れ味を発揮します。真剣を使う居合道では、時々ちょっとしたミスから主に左手を傷つけてしまう事があるのですが、自分の手を切ってしまった事に気付かなかったりします。そのくらい切れるんです。

 でも、“名刀”とそうでない刀との差は、単純な刃の鋭さの違いではありません。まな板の上に置いた大根を刃を押し付けて切るだけなら、切れ味にほとんど違いはないでしょう。

 実は、よく斬れる刀というのは、以下の3つのポイントをカバーしているのです。

①誰が振っても“刃筋(はすじ)”が通る
②斬る対象物に接する瞬間に、刀の速度がMAXになる
③持ち手の身体の運用を矯正する
①“刃筋”が通る

 日本刀は刃側からの衝撃には極めて強く出来ています。刃より硬い物は斬れませんが、そうでなければかなり密度の高い物を相当の力で斬り込んでも、まず折れたり曲がったりしません。
折れたり曲がったりしなければ、結果的に対象物は両断されます。
ただし、それは振る刀の軌道と刃の角度がぴったり一致した場合。これを“刃筋が通る”と表現しますが、逆にこの刃筋が通らない場合、刀は結構簡単に曲がったり刃こぼれを起こしたりします。もちろん斬るのは失敗です。

 刃筋を通すには持ち手の練度が大きく影響しますが、名刀は刀身のバランスが絶妙で、素人が振っても刃筋が通ります。だから斬れるんです!!

 ②斬る瞬間のスピード

 ②については、僕自身こんな経験をしています。

 神社を守衛するサムライ:衛士のお勤めでは時々竹を斬ります。こんな感じです。

※前回添付した動画のリンク先をもう一度。刀で竹を斬るのがどんな感じかご参照ください。一分過ぎ辺りから竹を斬ります。w

山家神社 節分厄除大祭2019

邪気を祓う、というのを分かりやすく表現するセレモニーですね。神事の一部なので、絶対に失敗が許されません。なので直径5センチ程度の細い竹を斬りますが、このセレモニーを毎回喜んで動画に収めて下さる参列者の方から、こんなことを言われました。

 「衛士さんの刀が竹を斬り抜ける瞬間を画像でアップしたいんですが、どんなにコマ送りしても、その瞬間だけは写せません。何度撮っても映らないんです。高性能カメラとかなら映るんでしょうが」

 つまり、刀の振り始めから振り終わりまでの速度が一定ではなく、竹を斬る瞬間に速度が頂点に達しているため、通常のカメラのコマでは捉えられないのです!!

 僕が神事で用いる刀は、約五百年前に打たれたもので、“名刀”の端っこくらいには入ります。もちろん、竹を斬る瞬間に意識的に速く振り抜くということはしていません。普通に振れば自然にそうなる刀なんです!
斬る瞬間に速度がMAXになる刀なら、運動速度が加わる分、そうでない刀よりももちろん斬れます。

 ③、持ち手の身体の運用を矯正する

「宮本武蔵」の画像検索結果
yahoo知恵袋

 僕は衛士として、神社主催の居合道道場の師範も務めています。始めて一年ほどで、門下生もまだほんの数人ですが、入門直後の方の基本稽古を指導していたら、こんな事もありました。

 居合道の初心者は、最初から真剣は使わないのが普通です。
“模擬刀”と呼ばれる、真剣をかなりリアルに再現した合金製の模造刀を使います。
初心者にとって最も大切なのは、何をおいても正しい身体の運用で刀を振る、ということ。この土台をしっかり作っておかないと、のちのち技が滅茶苦茶になってしまいます。

 ある門下生の体捌き(たいさばき)がうまく指導できず、なかなか改善の糸口が掴めません。。。
ほんの思い付きで僕の神事用の刀を振らせてみたところ、足腰・肚・握り手がぴたりと決まりました。僕の刀はクセが強く、普通に居合で使う日本刀よりずっと重いので、振りやすくはありません。その方も「重い!」と苦笑いしていましたが、結果的に正しい体捌きになっていました。正しい身体運用で刀が振られれば、そうでない場合よりももちろん斬れます。
名刀は持ち手の身体運用を正してしまう事で、より斬れる結果を導いているのです。

まとめ

 僕が初心者だった頃に、今は亡き師匠が「本当は、最初からいい真剣を振らせたいんだが」と言っていたのがそれで納得出来ました。初心者のうちから名刀を使っていれば、体捌きの上達はずっと早くなります。

 名刀とそうでない刀との切れ味の違いは、こうした所から生まれていたりします。一口に“よく斬れる”と言いますが、こんなに奥の深いものなんです。

いかがでしょうか?今回は日本刀の“切れ味”を中心に語りましたが、“斬れる”という事のイメージが変わったり、豊かになったのであれば幸いです。

次回、第三部は日本刀の神秘性を中心に語ります。日本刀と、それを持つ人との間に生まれた歴史と物語です。こうした事を知ることも、日本刀を真に理解することに繋がります。

乞うご期待!!

コメント

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